企業理念

 

■企業理念

人と技術と心をつなぎ、生活環境に新たな価値を育みます

■経営理念

全社員が互いを尊重し、幸せになることを通じて善の循環を創出します

■行動指針

私たちは、いつも「ありがとう」の気持ちで仕事をします

企業理念について
株式会社伊藤利一商店、株式会社千田悦三郎商店および株式会社農業創庫は、2009年1月1日より一つになることに伴い、企業理念、経営理念、行動指針について、社内のCI計画プロジェクトのメンバーと議論を重ね決定いたしました。以下はその概要を説明したものです。

- 企業理念

人と技術と心をつなぎ、生活環境に新たな価値を育みます

「つながりを大事にする会社にしたい」とCIプロジェクトメンバーの一人が言ったことがきっかけで、このような企業理念になりました。最初に人と技術をつなぐという言葉が出てきて、最後に心を付け加えました。スポーツでいう“心技体”と同じ考え方です。

よくよく考えてみると、つながりを創っていくのがまさに私たちの仕事です。
この企業理念を象徴している事例があります。名古屋の千田悦三郎商店に一本の電話がかかってきて、三日月の形をした建具をどこかで製作できないかという依頼がありました。非常に難しい形の建具なので、担当者が困って、どこかできるところを知らないかと社内で聞いて回っていたときに、ひょっとしたら高山のお客様である大工さんならできるかもしれないという話になりました。そこで、高山の伊藤利一商店に問い合わせ、その大工さんに打診してもらいました。最終的に大工さんは快くその仕事を引き受けてくださり、お客様も非常に喜んでくださいました。後日談ですが、その大工さんは、たまたま建具を納めたお寺の近くで現場をやっていたことがあり、そのお寺をよく知っていたため、あの立派なお寺の中に(五重の塔があるようなお寺だそうです)自分のやった仕事が納められるならと意気に感じて仕事をやってくれたそうです。私たちがそのつながりをつくり、そこに関わったすべての人が喜んでくれたわけです。まさに私たちがしていく仕事の理想形ではないかと思います。

「つながり」をつくるということを私たちは他にもいろいろとやっています。
伊藤利一商店、千田悦三郎商店の両社共、もともと商店という名前が付いており、商社的な感覚で仕事をしてきました。大事な仕事の一つに商流をつくっていくということがあり、人と人をつなぎ、新しい流れをつくっていく仕事です。伊藤利一商店でやっている現場監督という仕事は、施主もしくは元請の想いを職人さんにつなぎ、新しい価値をつくっていく仕事です。千田悦三郎商店でやっている製造という仕事も、人と技術と心をつないではじめて商品が出来上がってきます。仕事に対するこのような考え方が、企業理念に関する理解に通じます。

「アイデアのつくりかた」という本に、新しいアイデアというのは以前からあるアイデアの組合せでできていると書いてありました。アップル社が出しているi-phoneや任天堂のWiiという商品は、もともと技術的には、以前からあるものしか使っておらず、その組合せで素晴らしい商品に仕上がっているそうです。

(株)伊藤利一商店、(株)千田悦三郎商店および(株)農業創庫の3社が一緒になったときに、私たちはいろいろな技術を持っていることになります。空調・衛生設備、調色、接着、ポリ加工、建材工事、農業、土木、取引先まで含めると家具を製作できたり、合板を曲げたり、人工大理石のカウンターをつくれたり・・・。これらの眠っている資産をうまく組み合わせることにより、また、総勢100人のアイデアを組み合わせることによりまったく新しい価値を見出す可能性を充分に持っています。だからこそ、人と技術と心をつなぐということを大切にしたいと考えます。

- 経営理念

全社員が互いを尊重し、幸せになることを通じて善の循環を創出します

循環という言葉にこだわり、この経営理念になりました。CIメンバーから出てきた「相手の立場を尊重する」という言葉と「自分たちが循環を作り出すポンプのような役割であればいい」という意見を取り入れました。善の循環という言葉は、YKKの経営理念としても有名な言葉です。

この経営理念のポイントは、私たちがまず最初に幸せになることが大事だということ、そこを起点に社会に貢献できればよいということです。人はついつい無いもの探しをしてしまいます。もう少しお金があれば、もう少し時間があれば、もっと自分に力があれば、もう少し景気がよければ・・・。大事なのは、今あるものに感謝をし、幸せを感じていくことだと思います。日本は、昔と比べるとはるかに豊かになってきているのにもかかわらず、幸せを感じる量が減ってきてしまっています。当たり前のようにある日常の中にも感謝できることは、いくらでもあります。世界に目を転じれば、戦争がいたるところで起きており、きれいな水すらまともに飲めない人たちがいっぱいいるわけですから。

松下電器の創業者である松下幸之助氏は、新入社員の面接で「あなたはこれまで運がよかったと思いますか?」とたずね、はいと答えた人を採用していったそうです。運がよかったと答えた人にはそこに感謝の気持ちを感じるからだそうです。それぐらい感謝をし、幸せを感じることは大事なのです。

現在の閉塞感やコミュニケーションに関する問題は、いずれも、自分の存在をもっと認めて欲しいという欲求、あるいは自分にはそれほどの価値がないのではないかという自信の無さからきているような気がします。そこであえて、「互いを尊重し」という言葉を付け加えました。
今後、会社の中で、自分が確かに役に立っているんだと感じられる場や仕組みの提供、もしくは、それを認め合う社風を構築していくことが重要になってくるかと思います。

また、伊藤利一商店では、空き缶のプルトップを集めて車椅子を寄付しようという活動をしています。目的の一つは、困っている人を助けられればということですが、もう一つ大事なのはプルトップをわざわざ外して回収BOXに入れていく行為を通じて、少しでも自分が世の中の役に立っているということを実感できるということです。そういう意味でも、社会貢献活動をもっと積極的にやっていくことが大事です。

最近、日本中にこのようななことで悩んでいる人は大勢いる気がします。自分を認めて欲しいという感情のこじれたものが、秋葉原の事件ようになっていき、自分に存在価値がないのではないか、という自信の無さの究極が自殺に向かっていっている気がします。私たちがまず互いに尊重しあい、幸せになることで善の循環を生む一助になればと思います。

- 行動指針

私たちは、いつも「ありがとう」の気持ちで仕事をします。

これらの理念を総合するとこの行動指針に至ります。この行動指針については、最初にこの一文が出てからほとんど議論することなく、これでいいのではないかと落ち着きました。
槙原のりゆきの歌に「五つの文字」という歌があります。日常の繰り返しを「あたりまえ」と思って生きてきたけれど、これからは「ありがとう」に変えていこうという歌です。まさに、そのような感じをこの行動指針に託しています。

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